1983年、アストルは私に長文のメッセージを贈ってくれました。
「タンゴ・デ・ラ・エスペランサ」のLPに収録しましたが、
それを今、読み返して気付いたことがあります。
結びの言葉「あなたがたは、他の国々の人たちにとって
手本となるでしょう」に集約されているのは
私たちが、アルゼンチンで評価されていなかったアストルを賞讃し、
SADAIC(アルゼンチンの音楽著作権団体)でも
そのことを力説したことを
SADAIC会長ロベルト・パンセーラがアストルに伝えたことが
よほど嬉しかったということを再認識。
ロベルト・パンセーラは、バンドネオン奏者でもありますが
アストルの楽団でピアノ担当をしていたこともあり、
私たちの楽団の演奏スタイルがアストルに影響されていることも
見抜いていたのです。
当時、アマチュア楽団に過ぎない「タンゴ・デ・ラ・エスペランサ」ですが
一般人ではなく、若い演奏者が自分の音楽を評価したことに満足してくれたようです。