Quantcast
Channel: 加藤修滋のブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1933

新しく録音するにあたっての想い

$
0
0

コラ・ヴォケールは晩年、

「クープレ」と「ルフラン」の歌い方を逆にしました。

そして、デジャゼ劇場で共演した時、こう言いました。

「客席が心の中で歌うメロディーに、私は言葉を添えるだけ」

モーリス・ファノンは「シャンソンの三大要素は、祈り・願い・叫び」

だと教えてくれました。

少しでも、フランス人が歌うフランス語のシャンソンのエッセンスを

吸収できないものかと、永年苦労してきました。

 

ところが、この1ヶ月間の「シャンソンの応接室」を開催する中で

全く別の価値観を知り、急に思い立って

(自分の録音など考えてもみなかったのに)録音する事に!

 

その根底にあるのは「共通の感情を共有する」という事。

今まで「歌う」事に力を注いでいたのは

「娯楽」を求める人達の期待・希望に添うという事。

今たった一人の人でもいいから「想いをひとつに」したいという考えが

大きくなって来ました。

 

タンゴの阿保郁夫さんが

「若い頃には100人のお客様全員に拍手をしてもらえる事を

良しとした側面があった。

でも今は、たった一人でもいい、心に寄り添ってもらえれば・・・・・」

と話された事を思い出します。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 1933

Trending Articles