前回のエルム・エピソード記録抄で触れたフィリピン・パブのママ、
カルロータ・デ・ラ・クルス(本名)はモデルでダンサー。
エルムでは店の女の子と共にハワイアン・ダンスを踊ってくれていました。
その彼女が私の友人のアクセサリー・デザイナー、
ジョン・シドニー・キャロンが作るアクセサリーのモデルを引き受けてくれました。
撮影は、ジュディ―・オングの写真も撮っていた名フォトグラファー
(後にシャンソンCDジャケットの作品で名を挙げた)伊藤一仁氏。
J.C.キャロンは、破天荒なアーティスト(という人もいれば単なる酒好きという人も)で彼の作るネックレス(鎖の輪の中を通すタイプ)のデザインを某有名ブランドが買ったと、パリでは評判。
上半身裸で”手ブラ”の写真は、後にJ.C.キャロン・ブランドのCMに使われ、
ちょっとした話題に…。
モデルのカルロータも母国フィリピンへ里帰りすると、
日本で成功した女性幾人かの中にかぞえられていたとか。
撮影終了間際に、
まだたくさんのすばらしいデザインのアクセサリーがあるのを見つけたカルロータが、
「お店に出勤するまで、あまり時間がないから、
これ全部一度に私の体の上に並べて撮ったら?」との提案。
さっそく最後の1枚を無事に撮り終えました。
彼女が当時海外で流行していた日本の(少々エロティックな宴会風習)
「女体盛り」という言葉を知っていたのは、随分後のこと。
ちなみに、カルロータのモデルによる
J.C.キャロンのアクセサリー・ポスターはフランスでも好評でしたが、
さすがにパリ市役所主催の日仏友好コンサート・パンフレットには、
掲載禁止となりました(誰も知らない裏話!)