以前から調べたいと思っていた「法定訳詞シャンソン」の数。
1992年発行、日本シャンソン大名鑑に載っている日本語で唄われる
シャンソン600曲(実際は614曲)について
JASRAC検索を使って調査。
その中で、JASRACに登録されている訳詞者の数は84名あるものの
1曲しか登録されていない訳詞者が殆ど。5曲以上となるとわずか11名。
1988年以後、新しく登録されたシャンソン訳詞は23曲しかなく
現在の登録訳詞の数では、
岩谷時子、音羽たかし、あらかはひろし、加藤修滋以外は
10作品以下の訳詞家ばかり。
いかに原作者から許諾を得て登録することが難しいかがよくわかります。
この30年程の間に「法定訳詞」となったシャンソンは共通点があります。
日本語歌唱音源を原作者が聴いて、その歌唱法を気に入ってくれた楽曲ばかり
であるという点。
1980年代までは、原詞と日本語詞の内容が乖離していないかというチェックのみでした。
今は、音源提出を求められるケースが増えているという事は
“原曲の持つニュアンスを大切に歌える歌手の歌唱音源”が
必要とされているという事。
この先の指針が示唆されていると思います。