『 るたん 愛と人生の歌=シャンソン 2019.5 』より
<名古屋巴里祭で画期的なコンサート実験>
毎年7月にシャンソン・フェスティバルとして46年間継続開催されて来た名古屋巴里祭には、
ジャクリーヌ・ダノ、ジャクリーヌ・ボワイエ、マリ=ポール・ベル、美輪明宏、菅原洋一、
瀬間千恵等、国内外のトップ・シンガーを中心に、大~中の劇場での催事でした。
ところが、毎年来日するシャンソン大使たちは、口を揃えて「シャンソンは本来、
小さな空間が良く似合う」と言いました。
そこで今年は、趣きを変えてホテル・ナゴヤキャッスルの特別室「ル・ノーブルサロン・シャンボール」
で1卓9人×8卓=72人限定の企画を立てました。
選ばれた72人のお客様としてのステイタスにひたりつつ、
飲食と共にリラックスしてシャンソンを楽しめる「理想のシャンソン空間」が2日間登場するわけです。
<元祖「理想のシャンソン空間」>
フランス・シャンソン芸術協会創設会長で「カフェ・ド・ラ・ダンス」やシャンソン・リテレール派レコード会社
「ル・ループ・ドゥ・フォーブール」を起こしたカトリーヌ・アトラニ女史は、「カフェ・コンセール・エルム」を
「理想のシャンソン空間」と評し、多くのフランス人アーティストを送り込んで、エルムのステージに立たせて来ました。
そこで、今回の少人数での巴里祭を企画したのですが、厨房の広さや料理の態勢が追いつかない為、ホテルの特別室を会場とすることとなりました。
<ランチ、ティー、ディナーの3公演×2日間>
ランチ・ショー、ティー・タイム・ショー、ディナー・ショーと切り替えをしつつ、3公演を2日間という企画は、
まさに発想の転換。更に、各々選び抜かれた出演者を、72名のみで楽しめるということに加え、
全公演に第25代シャンソン大使=ミッシェル・グラスコのアコーディオンが加わって、
ステージ内容もハイ・グレード。
特に今回、ディナー・ショーを担当するのは、ミュージカル出身の沢木順と女優出身の夏樹陽子。
シャンソン界に新風を吹き込んでいる二人が、ミッシェル・グラスコと、どうコラボレーションするのか
が楽しみ。
<永年シャンソン大使にミッシェル・グラスコが就任>
1991年から、フランスよりシャンソン大使が来日し、全国各都市を代表する歌手と共演をする為に、
ジャパン・ツアーを実施。中でも石井好子の協力で実現したジャクリーヌ・ダノ、千葉美月の協力で
実現したマリ=ポール・ベルとヴェルムーランの東京公演は、大きな話題となりました。
その中でも、歴代シャンソン大使の随行員として2003年に初来日したアコーディオンの
ミッシェル・グラスコは毎年のように来日し、2011年には遂に、本人が演奏者として初めて
第17代シャンソン大使として来日、今年も第25代シャンソン大使として来日。
更に、来年からは永年大使となることが内定。各都市での人気が極めて高く、共演希望者が
殺到していることから、異例の就任となったことにより、歌唱法、歌唱時の姿勢が改善される
日本人歌手が増すと思われます。