母が教育者として情熱を注いだのは、「学校図書館運営」と、
「世界連邦」や「九条の会」等の社会貢献活動。
そして、92才現役女社長のまま逝った加藤ハツ館長が最後まで貫いたのは
「文化の多様性」という、アリアンス・フランコフォンの活動理念そのものでした。
世界108ヵ国に会員を有するここの組織のJ.R.ギオン会長の人柄、
そして平和を希求する生き方に感銘を受けたのです。
万博日本誘致に際し、鈴木礼治愛知県知事の依頼による
J.R.ギオン会長の尽力が功を奏し、旧仏領アフリカ・アジア諸国が日本を支持し、
愛・地球博開催が決定すると、母は私財を投じ、パリのシャンゼリゼ劇場で
「万博支援感謝の集い」を開催。
その折、各国大使・要人を前に、愛・地球博グローバル・イメージソング
「ブラボー!ムッシュ・ルモンド」が披露され、世界21ヵ国語で歌われる契機と
なりました。
さらに、経産省の依頼の受け「万博PRデー広報活動」として、毎月25日に
無料コンサートを開催し続け、現在も万博メモリアルデー・コンサートとして
154回を数えています。
「万博が残した文化遺産だから、ずっと続けて名古屋の文化的名所にしたい」
……亡くなる1ヵ月前の言葉を胸に、来年も継続開催を決めました。
『月刊なごや No.386』より