岡山県出身で目下、アルゼンチンでバンドネオン修学中の、
西原なつきの一時帰国公演を聴いて、自分たちの昔を思い出しました。
大学生の時から「タンゴ・デ・ラ・エスペランサ」というコンフントをやっていて、
アルゼンチン公演もしました。
その時のライブLPは、1万円(当時 3千円)で取引されているそうです。
シャンソンとちがって、タンゴを志す人は、若い人でもアルゼンチンへ渡って、
現地のネイティブな人たちの中でステージを経験し、タンゴの本質を
身につける人が多い。
シャンソンは、フランス人と現地で公演をする人は、日仏シャンソン協会と
永田文夫シャンソン研究所のメンバー以外は殆どありません。
西原なつきさんのバンドネオンにも、タンゴに不可欠なニュアンスが感じられて、
とても心地良いものでした。
更に、タンゴ奏者にはめずらしく、ステージでのM C が極めて明るく、
笑顔だけで人を惹きつける何かがありました。
いずれ帰国されて日本で活動する時には、とても役立つキャラクターです。
ひとつだけ残念なのは、足でのリズムが「つま先」になっていること。
ロベルト・パンセーラが私に教えてくれたことの中で、一番強調したのは
「リズムは踵でとるもの」と言うことでした。(ホセ・バッソも同じことを言っていたそうです)
このことだけでリズムの切れが全くちがうので、フロリンド・サッソーネも含め、
ダンス系の楽団は皆、それを金科玉条にしているようです。
それにしても、彼女がバンドネオンを短期にそこまで習得した陰には、
まちがいなくネイティブなアルゼンチンの奏者の影響があるにちがいありません。
今回同行したグスタボ・エイリスのギターを聴いていて強く、そう思いました。
グスタボのギターの躍動するフレーズ感は、さすが!でした。