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Channel: 加藤修滋のブログ
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タンゴの真髄に迫りつつあるKaZZmaの進化

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かねてより、日本の若手タンゴ歌手として注目されていたKaZZma。

エルム・デビューは、日本唯一、オルケスタを率いることのできる門奈紀生コンフント

「アストロリコ」との共演。

正直、その時は「なかなかセンスの良い、将来性のある若手」というイメージ。

 

ところが先日、名古屋大学大学院准教授・西村秀人氏解説によるNHK文化センターでの

催事に、自身のギター・トリオで出演した折、あまりの進化にビックリ。

何より、多くの日本人タンゴ歌手の誤った唱法(1・3拍目を強調すれば良いという考え)

から脱却し、16Beatが根底に流れるアフタービートのエッセンスを身に付けていた!

それは、彼のギターにより濃く表れていて、日本最高のタンゴ・ギタリスト=小松勝

(バンドネオンの小松亮太の父)はじめ、ごく少数のギタリストが得意とする奏法に、

かなり近付いている。

もちろんテクニックは、あまたいるプロのギタリストと比較にはならないが、

学んで上達することの困難な「ニュアンス」を身に付けたことは大きい。

唯一残念だったのは、日本でもラテンやタンゴのミュージシャンは「ウノ・ドス・トレス」と

カウントするのに、今回2曲以外はKaZZmaのカウントが「ワン・ツー・スリー」であったこと。

気のせいか、スペイン語でカウントをとった「チェ・パプーサ・オイ」と「バリオ・デ・タンゴ」の

2曲は、その後のリズムの乗りが良かった!

 

日本のシャンソン・バンドは殆どが「ワン・ツー・スリー」でカウントをとることで、

シャンソンの本質からはずれると指摘したフランス人がいたが、

バレエで「アン・ドゥ・トロワ」のカウントが必要なように、ラテン・タンゴは「ウノ・ドス・トレス」

(かつての日本の優れたプロ・ミュージシャンはそうであった)でカウントすることにより、

裏リズムを観客にも感じさせて欲しいと思う。


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