今年でファイナルとなる神戸市主催のアマチュア・シャンソン・コンクール地区大会のトップは東京。
73名(うち2名欠席)から下記10名が全国大会へ。
一ノ瀬和子(ジプシーたち)
請井梨花(ジュテーム)
大木明(希望に満ちて)
岡村典子(私はスノッブ)
菊池優(真夜中の居酒屋)
木戸口ミカ(愛するだけでよかったら)
小林雅子(旦那様のお友達)
辻健一(チロルの花)
溝端由子(パリの空の下)
宮崎名緒子(聞かせてよ愛の言葉を)
今年初出場の8名全員女性ということと同伴伴奏が少ないことは、他の地区大会と異なること。
(公式伴奏の森若三栄子さんが大変)
審査員が個々に自分の審査内容について話をするシステムは東京だけ。
今年はレベルが高く、2人に満点をつけた審査員有。
上位5人は、すぐに決定したもののそれ以下は10人程が並んだので、挙手で5人選出。
わずかの差で残念だった人として5人の名前も公表。
小宮山澄枝(パリ野郎)、大内マコト(ドミノ)、長堀昌恵(私の街で)、渡邊睦美(我が心の赤い風船)
伊藤桂子(十字架)、清水たか子(笑わないで)
「十字架」は抑えた表現が魅力的で、「笑わないで」は声は美しいが一本調子との指摘有。
石原由紀子(初日の夜)についても若干表現過多との言及。
他にも、辻健一(チロルの花)がフランスの老俳優が如く、いい味を出していたと称賛。
宮崎名緒子のピアフ弾き語りは、オリジナリティーを評価。
須賀井玲子(ゲッティンゲン)も、バルバラの世界をうまく表現していたとの評。
中には、「歌い手の酔い心地と聞く側の酔い心地」という、高度な論評も有。
ここまでの審査評は東京地区大会をクリアすることに役立っても、神戸本選の採点とはイコールではないことは言うまでもなく、井上審査委員長の評こそ、本選での注意点。
「声がいい人、フランス語の上手な人はいても、目が死んでいる人、目をつぶってしまっている人がいる」「目線の位置への配慮」「フレーズがつながらない人が多い」など声楽家ならではの指摘。
特に歌いだしの音程は気になる=採点に影響。
私見としては、「たら、れば」は意味ないかも知れませんが、私が審査員をする過去のコンクールで
実際にあったケースにてついて……
点が同じぐらいになった時、訳詞によっても点差につながることも…。
審査員が耳なじみの詞とは違う詞で、耳に残る言葉が効果的に配置されている時などに有。
今回は「ジュテーム」に関して、日本での創唱詞が、歌う人のダイナミックスな部分と抑えた部分の表現にピッタリであったことはプラスに左右?(知らない審査員が多いと思われる詞)
一方、今回の「我が心の赤い風船」は過去アマチュア・シャンソン・コンクールでも歌われ、
巷でもこのタイトルの詞で感動的に歌う人が余りにも多い定番詞。
他のコンクールで、高得点を得た人の「赤い風船」の詞は、その時の審査員が殆ど知らないもので
(岡山加代子さんが創唱し、数人しか歌っていない)サビの印象度が随分違ったとの内輪話有。
今回、2人が明暗を分けた要素として詞の問題があったかどうは、不明。