この楽曲を歌おうとする方には、最初に申し上げておきますが
とても歌唱力の必要な歌です。
本来、イヴ・モンタースは男性の立場で詞を書いていますので、
目覚めるのは「女神」で、「アポロ」は女性歌手用のもの。
フランスに於ける女性の朝食は、バスタオルを身に付けた程度で
パンとコーヒーで済ませる事を知っていないと、この作品が理解できない。
当然、この二人は幸せな結婚に至らなかった訳で、その人間模様を見事に表現しているのが、作曲もしたシャルル・アズナヴールの手腕。
「朝と共に訪れた恋は、夜と共に消えてしまった」と言うのは、正直に受け取るべきでなく「夜になるとつい思い出してしまう」と言うニュアンスで歌うべきなのです。
シャルルに会った時、この曲の表現について質問をしましたが通訳から「はぐらかされたので、彼自身の経験談かも知れませんね」と言われました。