多くの友人がいるパリでは、普通の観光客では知る事が出来ないようなエピソードに巡りあっている。
「モーリス・ファノン」追悼コンサートに出演した時のお話。
「フランセスカ・ソルヴィル」等にも楽曲を提供している「アラン・ルプレスト」は楽屋で両方の膝に奇麗な女性を抱き、正面の女性マネージャーからケータリングのサンドウィッチを食べさせてもらっている。
彼が出演する前の歌手が終わりに近づいたので、私が「もうすぐですよ」と声をかけると、スックと立ち上がり「カリスマ」的な歌唱を披露。その”切換え”の見事な事に亜然!
“切換え”と言えば、共産党員の歌手マルク・オジュレがメーデー会場のテント(お祭りの夜店みたいに小さな屋台)で物販をしているのを見つけて声をかけると「Oh!シュウジ、モーリスのオマージュを企画してくれてありがとう」とハグ。道行く人がカメラで撮っていました。
ちなみにマルクが『心さわぐ青春の歌』で「イル・フェボー!」と本当に晴れやかな表情で歌ったのが印象的。日本ではコラ・ヴォケール風に暗い表情で歌う事が一般的。
この楽曲の最後の言葉を「走って行きたい、でも何処へいけるの・・・」とマルクが歌っているのは「それでも走り続ける」と言う意思に違いないと思うのです。