私が詞を付けた作品は、原曲に感動・感激したから生まれました。
ところが、私のそうした思いを継承してくれる人は少なくなっています。
それは言うならば感受性が私とは異なる人が多数派になったと言う事。
「法定訳詞ライブ」「平和希求ライブ」を今、誰がしているのでしょう?
もち論、客のリクエストもあり、自分のスタイルを曲げてまでとは言いませんが毎回1曲は私と思いを共有できる作品を加えて下されば・・・。
例えば「イスラエルの子守唄」「人生の灯をありがとう」「モネの庭」「プチ・フランク」「涙のベルジェ」等。特に「涙のベルジェ」は、反戦平和指向の強い曲なのでここに詳しく記述します。
銃殺されたエジプトのサダト大統領の死を悼んで、作詞ジャック・ドマル二―、作曲は「恋心」のヒットで知られるエンリコ・マシアスのゴールデン・コンビによって作られた反戦歌。
永田文夫氏の作品の中でも名訳のひとつ。
「銃声が鳴り響き羊飼いが倒れた」とサダト大統領を羊飼いに、国民を迷える子羊に例え「・・・またも戦争が始まる・・・彼の思い出さえも忘れて」と平和への願いが綴られる。
1番は「犠牲の上に過去の歴史が切り開かれて来たのに」
2番は「明日の歴史を創り出すのは私達の義務だから」と結ばれる。
2番冒頭は「旗を真紅な血で染め、羊飼いが世を去った」と始まり「平和の為に倒れた彼の死もムダになってしまう」と続きCodaでは「生まれ故郷の大地に羊飼いはまどろむ・・・希望と夢を残して・・・」と哀悼の言葉で終わる。
こう言う歌を歌うには技術と心構え、そして何より「平和希求」の想いが無くてはいけない。
この楽曲も「エルム・スタッフブログ」の中の「訳詞図書館」で間もなく閲覧可能となる予定です。
▼YouTube「涙のベルジェ」林夏子
https://youtu.be/ZI8fv9udMLQ?si=g2r-PxF96lWxrUU2