滅多に連絡などしていない友人(の端くれ)が久し振りに電話をして来て
「ストリップが復権するゾ」とノタマウ。
彼とは、かつてアングラ芝居ファンとして情報共有をする仲。
唐十郎の赤テント、佐藤信の黒テント、寺山修司の天井桟敷から
玉井敬友のシアター・スキャンダルまで…。
暗黒舞踏の好みも一緒で、大野一雄、土方巽、麿赤児…。
口うるさい仲間は、要するに裸好きと悪口雑口。
(余談ながら、寺山修司作品「青ひげ公の城」の冒頭、衝撃的なシーンを演じたのが、
憧れのシャントゥーズ瀬間千恵さんだったと後で知って、
心臓が止まりそうだったことを思い出します)
話が横にそれた…「ホテルローヤル」で、直木賞を受賞した桜木紫乃が
先日テレビで浅草ロック座のことを話していて、
ロック座もストリップもインターネットでちょっとした話題とか…。
名古屋だけでなく、全国的にストリップ劇場は閉鎖の連鎖。
(映画館も芝居小屋も、果てはシャンソニエも閉館・閉店の連鎖が止まらないのと関係有?)
そんな中で、ロック座は閉館の危機を脱し、
逆に女性客やカップルまで取り込んで、全く違う生き残り作戦。
そもそも20年以上前にロック座から日仏シャンソン協会に
「出し物の音楽にシャンソンを使いたいが、どんな曲を選べば良いか」と相談有。
現場を見て驚き桃の木!
当時、フランスの劇場でしか見た事のなかったムービング・ライトを駆使した、
舞台の電動装置や演出に眼からウロコ。
そのノウ・ハウを使って岡山加代子リサイタルでは、
KAWAIの透明グランドピアノの上に岡山さんが寝そべって歌ったり、
松本幸枝リサイタルで巨大ミラーを使ってゲストの菅原洋一がビックリしたり…。
いずれにしても、時代の先端を行かなくては、
取り残されて消えていくことを教えてくれたのがロック座。
エルムの運営や名古屋巴里祭のステージ、各々の歌手のリサイタル等で、
今までのシャンソン界になかったことも色々チャレンジしてきた事が、
エルム25周年の原動力のひとつかも…?
そもそも淡谷のり子、美輪明宏、菅原洋一のように、
本来シャンソニエに出演などしないビッグ・アーティスト
(加えて、ジリオラ・チンクエッティ、ロス・インディオス・タクナウ、
ジャクリーヌ・ダノ、ジャクリーヌ・ボワイエ等、海外の著名歌手)が出演し、
自主レーベルのレコード・CDを出し、
新しいシャンソンの紹介を通じて法定訳詞登録をするといった、
特異な活動を展開してきたことが
フランスやアルゼンチンでの評価につながったに違いありません。
…と言う訳で(又も脱線)、友人曰く「桜木紫乃に感謝」の言葉に触発されて
著書を読んでみようかと思ったものの、きっと注文して手元に来ても
またもや「積ん読=ツンドク」になるだけに違いないので止めた
…というたわいもない話。