我々世代にとって偉大なアーティスト。
私は特に谷村さんが紡ぎ出す珠玉の言葉が好きです。
中でも「チャンピオン」のようなビートのあるものより「いい日旅立ち」や「群青」のような心に伝わる楽曲が忘れられません。
とんでもない(身の程知らずな)お願いをする為、谷村さんの事務所へ伺った事がありました。
実は、私のオリジナル曲「ラスト・リサイタル」を
「美輪明宏さんに歌って頂けないでしょうか」とオフィス・ミワの國井社長にお願いしたところ「この曲は谷村さんの方が良いと思うよ」と仰って、その場で谷村さんの事務所へ電話して下さいました。
急いで事務所をお訪ねすると、資料一式と一緒にお渡しした音源を隣の部屋で聴いておられる様子。
少したってマネージャーが「楽曲は良いと思いますが、実は今、中国での活動展開を考えている所なので・・・」と。
お忙しいのに、検討して頂けただけで光栄。
元々、菅原洋一さんの為に作った「ラスト・リサイタル」は、菅原さんが創唱。
ミッシェル・ジュールダン(ポール・アンカが詞を付けフランク・シナトラの歌でヒットした「レット・ミー・トライ・アゲイン」の作者)がフランス語詞を付けましたが、ジャクリーヌ・ダノは歌いませんでした。
谷村さんは歌手としての魅力以上にその楽曲の詞が味わい深く、谷村さんが楽曲提供した人達は大成功しています。
”あの頃”は、フォーク、ロック、歌謡曲問わず詞の意味が胸を打つものがありました。
中でも群を抜いて(谷村さんと同様にそうした)詞にこだわった作品作りをされていた”さだまさし”さんとは、思いが共通していたのでしょうね。
後世まで歌い継がれるであろう谷村さんの楽曲を思い出しつつ、ご冥福をお祈りします。
合掌。