私が人生で最も感動したのはシャルル・アズナヴール。
屋外ステージで驚いたのはジャン・ミッシェル・ジャール。
屋内ステージで衝撃を受けたのが、ミレーヌ・ファルメール。
彼女の作品は共同制作者という名のローラン・ブトナによるPV映像。
(10分に及ぶマイケル・ジャクソン「スリラー」同様、いや後には1時間近くに及ぶ映画そのもののようなものまで・・・)から分かるよう多岐にわたっている。
その音楽構成に不可欠なものが、教会、天国と地獄、墓地、戦場、バイオレンス、薔薇、性同一指向、貴族・・・各々が複雑に絡み合って目まぐるしく展開・
ミレーヌ・ファルメールが恵まれているのは、
ブトナの描く、あくまでもPVによる表現を、見事に具現化するスタッフの存在。
どのコンサートでも歌い始めるまでが長いのが特長で
ある時は、門扉を開いて登場し、歌うまでの2分間に失神して倒れる観客多数。
彼女の巨大なホール・コンサートでは、その都度担当するデザイナーが変わる。
中でもティエリー・ミュグレーによる奇抜なドレス。と言うよりフンドシ。
せり上がりの上に立って天井から降りて来たシースルードレスが頭からスッポリ!
多量のドライアイスとスモークに包まれて観客の中に延びたステージへ。
逆にクリスチャン・ディオールが担当した時はシックで落ち着いたチェック柄のリバーシブルの上着を踊りながら裏返すパフォーマンス。
こうした衣装のこだわりは、パリのコンサートでは当たり前。
オランピアで観たシルヴィ・バルタンのコンサートは、客席の人たちも華やか。モデルやファッション関係者が大半。理由は著名なデザイナー、ジャン・ポール・ゴルチェの起用。
そう言えばパトリシア・カースもデビュー時の「へそ出しルック」次いで「キャミソールドレス」。一変してセクシーなニット、ジーパン・・・と次々とイメージ・チェンジ。
フランスのシャンソンの奥深さは、これらの人と正反対の歌手もまた存在価値を認められていること。
黒にこだわるジュリエット・グレコ、フランセスカ・ソルヴィル、ジャクリーヌ・ダノ(ディオール製の高級品ですが日本人からは華やかさに欠けると不評)。
青がトレードマークのジャクリーヌ・ボワイエ
白はコラ・ヴォケール等・・・。
ミレーヌ・ファルメールに至っては千変万化。
いずれにしても歌声だけの日本人歌手を見慣れている私にとっては別世界。
日本人がミレーヌ・ファルメールのコンサート・チケットを入手するのは至難の業。2年前から完売とのこと。
日本で彼女の知名度はシャンソン関係者と言うよりヴィジュアル系の間で高い。
ミレーヌ・ファルメールに対する評価が高まることを願っています。