病床で執筆した、元ビクターの所忠男氏と奥田晶子さんの記事に、
業界の方から反応が相次ぎました。
レイモン・ルフェーブル、リチャード・クレイダーマンを日本人に知らしめた
名プロデューサーとして、
当時「ビクターの所を知らなければモグリ」とまで言われた所忠男氏が心血を注いだ
「作品」(?)とも言うべき奥田晶子さんは、
CDアルバム10枚をリリースし、日本シャンソン界に光を放っています。
ところが、ライブは名古屋の「エルム」にしか出演していないので、
意外と認知度は低いのが残念。
1年間に2つのシャンソン・コンクールでグランプリに輝いた彼女を銀巴里で見出した所氏と
二人三脚でリリースを続けているCDは、
人々の記憶とは別に、その響きが後世に残るという意味で特筆ものです。
カリスマ・プロデューサー所忠男氏
カムバック・ライブ
福島在住のシャンソン歌手・紗羽しゅうこさんがお送り下さった
美しいプリザーブドフラワーのバラは、今もエルムに飾られています。
紗羽さんはもともと、朗読のコンクール・グランプリの方(だったと記憶しています)ですが、
神戸市の「日本アマチュア・シャンソン・コンクール」でグランプリとなって、
プロ活動へ進まれた方です。
3.11東日本大震災の後、友人・知人の歌手たちが数多く東北へボランティア歌唱に出かける中、
現地の歌手からは「東京の著名な歌手も含め、
歌手はノーギャラ、入場料は無料が当たり前になって、
東北の歌手は仕事を失った」という声も有。
4月1日に私の病気からのカムバック・ライブをするにあたって、
ゲストとして福島の紗羽さんをお願いしました。
多くのお客様に聴いて頂きたいと思っています。
フランス郵便事情に異変?
今年は、フランスからのXmasカードや新年のあいさつが殆どないのは何故…?
…と思っていたら、今月に入ってから幾人もの歌手・アーティストから届き始めました。
フランセスカ・ソルヴィル、ジャクリーヌ・ボワイエのように、
コンサートやクリスマス休暇で家を離れていたのは別として、
デュモンの様に骨折で転地療養や、
ミッシェル・デルペッシュのように1月2日に亡くなった…というのは、心が痛みます。
郵便事情だけでなく、多くの人はクリスマスや新年のヴァカンスということでホッと一安心。
3度目の「日本最終公演」?!
シャルル・アズナヴールが92歳にして、6月に大阪・東京で3公演!
既に過去2回日本最終公演をしていますが、今度は本当に最後(年齢的に)となりそう。
彼ぐらいの大物になると(カウント・ベイシーも最後の日本公演を5回行った?)
最終公演は何度あっても嬉しい物。
少し前に、シャルル・アズナヴールの事務所ラウル・ブルトンから日仏シャンソン協会へ
「ジュヴォヤージュ~旅立ちの時~」の日本語法定訳詞について問合せがあったので
「もしかしたら…」と思っていたので、「やっぱり!」と思った次第。
アリス・ドナも来日公演で「やさしさ」を歌い、
シャルル・デュモンは「夜明けのタバコ」を
各々日仏シャンソン協会の歌手の歌う日本語CDやリサイタルVTRで練習し、来日時に歌唱。
シャルル・アズナヴールは?
もちろん、岡山加代子さんと私のCDを聴いています。
日本で「ジュ ヴォヤージュ~旅立ちの時~」のCDはそれしかない上、
この楽曲はエルム20周年に際して
シャルル・アズナヴールから「あなた方に委ねます」
というメッセージと共に贈ってもらったものなのです!
大庭照子さんが週刊女性に6頁で登場
日本国際童謡館の封筒で届いていた大庭照子さんからの知らせが
「大庭照子事務所」の封筒に変わり、
2月23日(一部25日)発行の「週刊女性」に6頁の記事が出るとの知らせ有。
童謡に力を入れておられる大庭さんは熊本出身。
九州では今年、新しくシャンソン・コンクールが始まることや、
「華味鳥」チェーンの河津善博氏がシアター・レストラン風の
「グランド・ペプチード」をオープンさせたり…何かと話題が豊富。
かつて「パリ祭」の制作にも手腕を振るった大庭照子さんが、
しますえよしおさんの「蟻ん子」に隔月出演し、
事務所も再開ということは、シャンソン界の活発化にも役立ちそうです。
テロ犠牲者追悼歌と募金の盛り上がり
「パリ同時多発テロ犠牲者追悼歌/哀しみのバタクラン」は、
新聞5紙が特大記事で報じ、話題となっています。
加えて、追悼募金は一口2000円ですが、多額に応じて下さる方もあり
更に大きく盛り上がっています。
募金された方にはCDを差し上げることになり、
無料配布する楽譜と共に更に拡がりをみせることでしょう。
楽譜は希望者全員に差し上げますので、遠慮なくお申し込み下さい。
(送料のみ着払いにてご負担いただきます)
お申し込みは、電話052-733-0085か、メールinfo@afjc.netで受付致しております。
「哀しみのバタクラン」 レコーディング中
24歳で犠牲となったバタクラン劇場をテーマに、
世界初の11.13テロ追悼CDとなる「哀しみのバタクラン」は、
日本人ソロ歌手6名、コーラス20名、
フランス人ナレーション9名(ジャクリーヌ・ボワイエ、マルセル・アモン他)
日本人ナレーション1名(菅原洋一)で収録進行中。
2月末に完成し、3月にフランスのSACEM(音楽著作権団体)に500枚寄贈し、
日本でも募金に応じて下さった方500名の方に差し上げる予定です。
目下、テレビ局2局が追っかけ取材中。
近々、ドキュメンタリー風の特集でON AIRされると思われます。
アズナヴール公演予約好調
6月来日公演時には、92歳となっているシャルル・アズナヴールのチケット予約が好調!
中には、6月13日(大阪)、15日・16日(東京)3公演とも予約する人も有。
日仏シャンソン協会で予約された方には、
アズナヴール讃歌「愛の響き~人生はアズナヴールの歌と共に~」の
楽譜プレゼント付とあって、歌手やシャンソン教室生徒の方からの予約が多い。
この歌はアズナヴールの盟友ミッシェル・ジュールダン
(フランク・シナトラのヒット曲「Let me try again」作者)が作ったシャンソンで、
マリー・ラザロが創唱の後、浜崎久美子さんが日本に紹介し、
浜崎さんの歌う場面がフランス国営放送局のアズナヴール特別番組の中で
ON AIRされて話題となったものです。
今日、フランスからミッシェル・グラスコがエルムへ訪ねて来て、
昨年パレ・デ・スポルトでのアズナヴール・リサイタル映像を届けてくれました。
91歳の今も…と言うより、91歳となってなお一層、
歌に深みと「いぶし銀」の輝きを放つ歌声に大感激のDVDでした。
2月29日に朝日新聞の青田秀樹さんがパリでアズナヴールに取材し、
近々記事掲載されるので、AERA含めぜひ購読を!
来日を前に娘カティアとのデュエット曲「ジュ ヴォヤージュ」の
日本語訳詞を覚えようとして私の所へ日本語詞
(私のものが法定訳詞となっているので)の確認をしてきたのには驚きました。
岡山加代子さんと私のデュエットで日本語歌唱したCDも聴いてくれたことに感激。
日本人歌手との日本語デュエットはスケジュールの都合で幻となって消えた様ですが、
その意欲に脱帽!
アズナヴールのVTRに大感激
持って来てくれたシャルル・アズナヴール91歳のリサイタルVTRを、
エルムで毎日上映したところ、お客様が大感激!
歌唱法が変わった「ジュ ヴォヤージュ」や、
演出が変わってハンカチを客席に投げる「ラ・ボエーム」等、随所に成長の跡!
このパレ・デ・スボルトの構成で世界ツアーを行っている中での来日公演なので、
とても期待できます。
ネットの時代で、こうした情報があちこちに流れる影響なのか、
日仏シャンソン協会へのチケット予約殺到。
アズナヴール讃歌「愛の響き~人生はアズナヴールの歌と共に~」の楽譜希望者も続出で、
日本のシャンソン界が91歳のアズナヴールの力で変革の兆し。
アズナヴール最新インタビュー
先月末、パリで朝日新聞の青田秀樹さんがインタビューした、
91歳のシャルル・アズナヴールの映像が東京地区のみON AIR!
フジテレビ「ノンストップ」(9時50分~11時25分)の中で、
3月16日(水)に放送されます。
今も元気いっぱいで、「ずっと歌い続けたい」と語っています。
ぜひご覧下さい!
JE VOYAGEについての問い合わせ急増
シャルル・アズナヴールが92歳での来日公演を6月に行うことから、
彼と娘カティアのデュエット曲「ジュ ヴォヤージュ」に関する話題が
あちこちで出る様になっています。
それに伴って、日仏シャンソン協会への楽曲問合せも急増。
この楽曲は、前回来日時に日本で発表され、
日本語バージョンはエルムの岡山加代子さんと私のデュエットでCD化されています。
エルム20周年を祝って、法定訳詞権もプレゼントして下さったので、
SACEMに登録(勿論JASRACにも)されました。
アズナヴールの隣に私のサインが並んで書かれている書類のコピーは、私の宝物です。
今回のアズナヴール日本最終公演を祝して、楽譜希望の方には差し上げます。
お問合せ メールにて受付致します。info@afjc.net
件名に「JE VOYAGE 楽譜希望」とし、
本文に、お名前、ご住所、お電話番号をお書きください。
送料のご負担お願い致します。(着払いにてお送りいたします)
多くの方に歌って頂き、アズナヴールの来日を盛り上げたいと思います。
PR: 毛穴ごっそり体験が500円!
テロ追悼歌「哀しみのバタクラン」楽譜配布中
パリ同時多発テロ犠牲者追悼歌「哀しみのバタクラン」の楽譜が完成し、
希望者への発送を開始しました。
私が難病の重症筋無力症で入院中に、ベッドで仰向けのまま楽譜メモ書きをした為、
オリジナルの楽譜は岡山加代子さんが作成。
楽譜の書き方もとても綺麗なので、テレビ取材の折には、
中京テレビ、東海テレビ共に岡山加代子さんの書いた楽譜をアップで撮っていました。
先日来日したミッシェル・グラスコにそのオリジナルの楽譜と、
青山桂子さんの友人が作られた平和の願いを込めた折り紙を託し、
アンヌ・ソルベストル(ベテラン・シャンソン歌手で、
愛孫バティスト・シュヴローをバタクラン劇場で亡くした)宅に届けてもらいました。
「哀しみのバタクラン」は、世界初のパリ同時多発テロ追悼歌として、
既にフランスでも話題となりつつあるそうです。
日本では新聞6紙、テレビ2局、ラジオ1局が取材報道し、
詞の内容に感動したというメールやお便りが続々と届いています。
楽譜ご希望の方は、シャンソンンショップ からお手続きください。
http://www.chansonshop.com/
送料のみご負担をお願い致します。(着払いにて郵送致します)
アズナヴールのチケット、予想通りの動き
シャルル・アズナヴール来日公演のチケット先行予約は、
予想通りVIP指定席(¥24,000)はまたたく間に売れ、熱烈なファンが健在と実証。
日仏シャンソン協会の推薦コンサートということで、
会員への情報解禁はメディア同様2月10日。
会員以外の一般の方へのチケット販売(S席のみ)も好調で、
2月27日までの受付分はあっという間に…。
今は3月末日締切分の受付中。前回は、名古屋・福岡公演もあったことから、
日仏シャンソン協会でプレイガイド以上の売れ行きとなり、
浜﨑久美子さんとアズナヴールの交流がテレビニュースとして流され、話題を呼びました。
パトリシア・カース来日時は、大阪公演のチケットが芳しくなかったのですが、
今回のアズナヴールは、日仏シャンソン協会扱い分としては大阪の方が格段に好調。
娘・カティアとのデュエット曲「JE VOYAGE」と
アズナヴール讃歌「愛の響き~人生はアズナヴールの歌と共に~」を歌いたい人も急増
(楽譜プレゼント中!)事務担当は大忙し。
来日時は92歳となっているアズナヴールは元気に来日し、
3公演を無事に終える事を願っています。
「懐かしき恋人の歌」の想い出
名古屋の吹上に「カフェ・コンセール・エルム」が誕生したのは、1988年7月3日。
オープニングを飾って下さったのは、菅原洋一さん。
その後、美輪明宏、瀬間千恵、堀内環、花田和子、しますえよしお、古賀力、
村上勉、嵯峨美子、宇野ゆう子、渡辺歌子…
まるで銀巴里の引っ越し公演の様な豪華出演者に加えて、
グラシェラ・スサーナ、ロス・インディオス・タクナウ、トリオ・ロス・ペペス、
マリキータ&ジロー、前田はるみ、坂本スミ子、奥則夫…
ラテン・タンゴ・カンツォーネのスター歌手も…。
エルムの独特のシステムであった「エルム・シスターズ」第一号となった
野原百合子さんが今年亡くなって、
私の青春時代(と言うには少々遅かったのですが)に、
彼女の店でピアノ弾き語りをしていた頃を思い出しました。
八事のビル2Fにあった小さなお店なのに、グランド・ピアノが入れてあって、
彼女が好きだった奥則夫さんのLPがいつもかかっていました。
ご自身も歌いたくなって、私の所にレッスンに通われ、
瞬く間にファンのお客さまも増えレギュラー歌手になれるという直前に、
別のライブ・ハウス出演の話があり、エルムを辞められました。
その後もお客様として度々エルムにはご来店されましたし、
ご自宅にもよく伺って貴重なテープやLPを一緒に聴いたりしたことも懐かしい思い出です。
美術を教えていらっしゃるご主人もとても優しい方で、
彼女の音楽活動を支えられ理想的なご夫妻でした。
今日、偶然彼女の1994年の初リサイタルのVTRが出てきて、
その頃を思い出しつつ見入っていました。
当時まだ多くの人が歌っていなかったパトリシア・カースの歌を多く採り上げ、
2部ではピアノ弾き語り(日本でもピアノ弾き語りのシャントゥーズは珍しい時代)も披露。
照明がセンター・ピンの達人と言われた御原祥子さんで、
幻想的な雰囲気を創って下さって、とてもおしゃれで大人っぽいリサイタルVTR。
「赤いポスター」の様なシャンソン・アンガージュにも挑戦しましたが、
一番思い出深いのは「懐かしき恋人の歌」。
野原百合子さんの希望で私が日本語詞を作ったもので、
歌い始めの「それはもちろん」という部分を気に入ってくれて、
「どうしてもリサイタルで歌いたい」と言ったのに、
歌詞を間違えたことをとても悔やんで
「何年か後に、もう一度リサイタルをしてリベンジしたい」
と言っていましたが、叶わぬままに帰らぬ人となりました。
伴奏者に気持ちを伝えることの得意な人だったことを思い出しています。
合掌。
92歳の老婦人の遺言を今に伝える 12歳のシャンソン歌手
故・加藤ハツ館長(2014年92歳で他界)が遺した遺言
「歌い手には平和を願う歌を義務がある。何故なら、平和でなければ文化は育たないから」
に触発され、反戦平和のシャンソン(シャンソン・アンガージェ)に力を注ごうとする、
12歳の少女がいます。
彼女は本名=白梅と言い、何と9歳で日本アマチュア・シャンソン・コンクール中部大会で
グランプリ受賞。
2014年、パリ郊外のルーヴシエンヌ城で、
日本人初(勿論最年少)の出演者として歌唱し、周囲を驚かせました。
メディアで度々紹介された折は、
「子どもなのに、シャンソンを立派に歌う…」という評価でしたが、
中学進学を前にすっかり大人の考え方、大人の歌唱法となり、
日本の平和・世界の平和に関しての意識が芽生えて来ました。
そんな折、加藤ハツ館長の遺言と出逢い、12歳にして<平和希求プロジェクト>に参加し
反戦平和の歌を歌おうとするようになりました。
今の時代こそ日本最年少のシャンソン歌手=白梅に触発され、
多くの青少年、そして勿論大人たちも平和を望み、
人と人が殺し合うことのない世界への希求の声を発してくれます様、願っています。
過去171回満席立見記録を更新している
毎月25日の「万博メモリアル・デー・コンサート」で、
白梅の歌った「ゲッティンゲン」は多くの人の心に共感を与え、
新聞の3面トップ記事となりました。
カムバック・ライブ二日間無事終了
重症筋無力症で入院してから半年、
ようやくピアノを弾き、歌うこともできるようになりました。
多くの方にご来場いただき感激です。(遠く、茨木からご来場の方もありました)
色々とお心遣い下さる方や、二日間連続して来場された方…
同級生の男性が両手を握って「よかったなァ」と何度も繰り返して言ってくれたこと。
エルムシスターズのみんなが珍しい花や、とても大きな花で活けられた
立派なスタンド花をプレゼントして下さったり、
エルムの歌手が「夜は来れないから」と言って、
カムバック祝儀を昼に届けて下さったり…。
音楽をやっていて、こんなに幸せと思えることは、
そんなに数多くはないことが幾つも続きました。
役所勤めを途中でやめて、音楽活動をしたことで、
人生はこれ程まで大きく変わったのだと、しみじみ思っています。
そして、自分の周囲の人々の心の温かさにも今一度感謝しています。
メディアの報道合戦
「加藤ハツ館長を偲ぶ会」に際しては、
新聞6紙、テレビ4局、雑誌2誌が特別枠で大々的に報じ、
シャンソンと無縁な人たちを驚かせました。
特ダネとして口火を切った中日新聞の梅田記者は、
橋本奈央子さんの逝去の記事を(昔で言う)3面の特大記事として報じて下さった方。
加藤ハツ館長が亡くなる2ヶ月前、館長が最後に取材を受けた方で、
その時の取材内容が半年後に役立ったと言えます。
読者・視聴者にとって「知る価値」あるニュースとして、
「報じる責務」あるという判断をして頂けると、
こうして社会的に話題となる報道がなされる訳です。
以前から日仏シャンソン協会の活動は新聞社会面での報道が特に多かったのですが、
この時を機に取材申し込みが急に増えた気がします。
シャルル・アズナヴール来日公演に寄せて~その1~
シャルル・アズナヴールのバック・アップのお蔭
(勿論、美輪明宏さん、菅原洋一さん、瀬間千恵さんといった、日本の素晴らしい歌手や、
ジャクリーヌ・ダノ、モーリス・ファノン、グラシェラ・スサーナ等、
海外の友人の力も多大です)と言っても過言ではありません。
そのシャルル・アズナヴールが6月に92歳での来日公演をするにあたって、
今からワクワクしています。
シャルル・アズナヴールについては、数えきれない思い出がありますので、
来日までに記憶をたどって話してみたいと思います。
アンリ・サルバドールが90歳で来日公演をした時も、
ミレイユが90歳でパリでの最終公演をした時も、
聴きながら思ったのは(シャルル・アズナヴールも同様ですが)
「息は鼻で吸って、口で吐く」という基本的なルールを守って歌っているということ。
言うまでもなく、人は皆しゃべる時「鼻で吸って、口で吐く」のですが、
喧嘩をしたりすると「口で急に吸って、激しく言葉を吐き出す」様になります。
この喧嘩をしている時の呼吸と同じ呼吸で歌う日本人歌手の何と多い事!
鼻で息を吸うのは、鼻毛で空気中の微かなごみをカットし、
空気が鼻から器官を通る間に温めてノドを守る為。
日本の歌手が80歳・90歳で歌える人が少ない理由のひとつに、
この呼吸法の間違いを40年も50年も続けている事があります。
今、芸歴50年を越えてなお(と言うより、アズナヴール同様、より一層)
素晴らしい歌を歌う菅原洋一さん、瀬間千恵さんは、
鼻で吸って口で吐く呼吸法の方です。
それ故、時として意図的に口で吸う息の音を
マイクに入れる歌唱法が効果的に使える訳で、
その点でもシャルル・アズナヴールと同様の歌唱法と言えます。
シャルル・アズナヴール来日公演に寄せて ~2~
日仏シャンソン協会の歌手たちに大切な事を教えてくれました。
特に歌手全員にとっては、目からウロコの内容。
「ディスク(レコード・CD)は、一番ヘタな時に録音する物。
その歌が大衆に支持されれば、毎年リサイタルの度に歌い、
次々と歌唱法を研究してグレード・アップする事になる。
(注:山口百恵はデビュー時、決して上手いとは言われなかったが、
引退の頃には心に届く歌を歌うようになったのと同様)
生のステージを聴けないなら、リサイタル・ビデオで勉強するのが良い。
(注:アズナヴールが多用する、口は動かしても声を出さない唱法は、
CDでは1回しか聴こえないがビデオを観ると2回、3回発音しているように見える)」