“外出自粛”による変化として、持て余し気味の時間を練習に当てるアマチュアの方が多いような気がします。
個人レッスンに何度も来られる方も多く、その度に歌唱法が変化することに驚かされます。YouTubeをあれこれ見比べて毎日歌っているというのが理由の大半。
でもこの方法は危険もはらんでいて、本当にすばらしい歌うを歌う歌手が必ずしもYouTubeで検索できないケースが多いことも…。
例えば、シャンソンなら新巴里の女王と称される瀬間千恵
アルゼンチン作詞作曲家協会の特別顕彰を受けた日本を代表するタンゴ歌手・阿保郁夫
ラテンアメリカ諸国で数百回に及ぶステージで本場ラテンのアーティストに賞讃されたマリキータ&ジロー…)
一方、プロ歌手はコロナで仕事場を失くし生計をたてるために他のアルバイトで忙しく歌の練習をするどころではない人もあります。(活動する意欲を失くし引きこもりがちになる方も…)
何よりも、プロ歌手は客席の反応を見つつ自分の歌の表現を変えるという「本番=練習」というパターンがコロナで限りなくゼロに近くなっています。
アズナヴールが言った「歌は音盤(レコード・CDなど)を聞いて練習すべきではない。何故なら一番下手な時に録音するものだから」
この言葉を想い出します。10年一日の如く繰り返すのではなく刻々と歌い方を変えて来た歌手ならではの真実。
日本でも菅原洋一や瀬間千恵の歌唱法が変わり続けています。
プロ歌手こそ、コロナ禍で変化すべく努力しないとき、歌唱の場が戻った時に時代から取り残されてしまっていることになるかも…。