安住恭子さんの名前は、エルムの古い歌手たちは知っています。
何故なら、美輪明宏の取材で在名4紙の記者のうち、
唯一絶賛された人だから。(エルムでは有名なエピソードです)
後に、演劇評論家となられましたが、
この度「小さな映画館から」という本を発行されました。
新聞でその事を知り、発注しようとした矢先
直接お送り下さり、一気に読み終えました。
時計を見ると午前2時過ぎ…
朝日新聞の近藤康太郎氏による
「アロハで猟師、はじめました」を昨秋、一気に読んで以来。
安住さんの御主人である平野勇治さんは
直接話をした事はない上、
映画の世界の人なのに何か身近に感じるのは、
学生運動時代の香りがいつまで経っても抜けない生き方
のようなものが漂っている人生に見えるからです。
イランのキアロスタミ監督が、平野氏に語ったという言葉に
「他者からの賛辞や名声に左右されることなく、
自らが良いと信ずる映画をひたすら続けるこの人らしい」
という感想を書いた冒頭部分。
そして幾度も「うん、うん」とうなずきつつ読んでいくと
最後に「この映画を上映しないのなら、
俺たち(ミニシアター)の意味はない」と森達也監督に語る部分まで。
当時のミュージシャンも、演劇の人も美術、
そして映画に携わっていた人たちに共通な香りがプンプンして、
とても満足して眠りにつけた事に感謝。