5月22日の誕生日前後、93才最後と94才最初のコンサートを
日本でする予定だったシャルル・アズナヴールが、
骨折で来日公演できなくなった時、
「秋には必ず日本公演をする」と力説した通り、
9月17日と9月19日に東京・大阪で感動的なステージを挙行。
「何があっても日本へ行く」と言ったシャルルは、その約束を守り、
予想・期待を以上のステージをしてくれました。
報道では東京のコンサートのことしか書かれていませんが、
私は、大阪の方が声の通りも良く、乗っていたように感じました。
ただ、休憩なしのスタイルを貫くシャンソン・フランセーズ・ヴァリエテ歌手ゆえ
90分ずっとステージ上で、「祈り・願い・叫び」を見事に歌い分け、
時に軽妙な2ステップも踏んだ翌々日だけに、疲労はひどく
腕の痛みもあると言っていた通り、1時間程で杖を持ち出して歌唱。
(東京では、フィナーレで花を受け取る時だけ杖を使っていました)
客席からの花は受け取っても、物品のプレゼントは「腕が痛いので」と
舞監に直接受け取らせるシーンも。
しかし最後には、途中で脱いでピアノの上に置いた上着を、軽やかに
振り回して、ステージの上手に放り投げ「俺は元気!」
というパフォーマンスを披露。(東京では、上着をピアノの上に置いたまま退場)
これが人生最後のステージ・パフォーマンス。
9月28日にはFrance5で「100才まで生きる」と語っていたというのに、
急に我々の眼前から消えたことは「神かくし?」という印象。
颯爽とした潔いステージ・ラスト・シーンは大阪の観客1,000人の眼に
焼きついているでしょう。
東京2,500人の観客には全曲杖なしで(大阪では途中から杖を持ち出しました)
歌い切った勇姿が忘れられないでしょう。
未だにシャルルの死は、現実として受け入れられません。