原作者が認め、登録されている私の訳詞(いわゆる法定訳詞)作品は28曲。
今まで、その登録事務作業に長いもので9年もの歳月がかかったケースもあって、
法定訳詞登録が極めてハードルの高いものであることは知っていました。
訳詞許可を得る(カヴァー申請)ことですら難しい時代。
原作者や権利を有する出版社の連絡先を知る難しさもありますが、何より原作者や出版社が
原詞にこだわって、ある海外のアーティストのように「英語以外の歌唱はダメ」というケースも有。
日本語訳を再度、逆に英語やフランス語に訳して提出しても「内容がちがう」と却下されることも有。
そして近年、CD収録はトラックダウン前の音源審査で「歌い方がダメ」というケースまでも有。
原作者のイメージにあわないこれらのケースは当然で、仕方がないと思っていました。
(私の法定訳詞28曲は、創唱した永田文夫シャンソン研究所の歌手たちの歌唱法を、
シャルル・アズナヴール、ミッシェル・フューガン等が気に入ってくれたから登録されたようです)
ところが、その1~2ヶ月で判明した登録事務作業の遅れの原因の幾つかは、「えっ?」と驚くこと。
①パスポートとJASRACとで個人名ローマ字表記がちがう!
パスポートではShuji KATO だが、JASRACの会員表記はShuuji KATOU なのでSACEM(フランスの
音楽著作権団体)、SADIC(同、アルゼンチン)での私の名前Shuji KATOと別人物と判断された
ケース 有。
②単純な入力ミスで、シャルル・アズナヴールの「Je Voyage」がSACEM登録では
アズナヴール作詞、 J.P.ブルテール作曲。日本のサブ・パブリッシャーでは作詞・作曲共に
アズナヴールとなっていて、同タイトルで別の楽曲と判断されていた!
①のことが判明したのは、つい最近、新しくSACEM ・ JASRAC登録されるはずの私の訳詞
による楽曲について、SACEMの女性事務員から親切に(!)問いあわせがあり、
「似た名前の別人物だといけないのでJASRACの会員番号を教えて」と、わざわざ連絡があったこと
(40年で、はじめて)からわかりました。
今までは「該当者なし。以上!」で、お役所的に終わっていたのかもしれないケース有。
そう言えば、私に対しフランス政府より芸術文化勲章叙勲の折(北野武監督より4年前)「該当者なし」
と差し戻しになり、翌年、大統領が変わり再調査指示でようやく私の手元に届いたのも、もしかしたら?