第32回日本アマチュア・シャンソン・コンクールでグランプリを
獲得した埴生美伽子さんが、受賞記念として
“歌う女優、もの語る歌いびと埴生美伽子リサイタル/風をきく”を開催。
お招き下さったものの、会場は伊丹駅前。
当日、名古屋でもご招待いただいたコンサートがあって、断念。
……でも、日本シャンソン界を変革する人だと感じた人なので、何とか…
と思い、時間の都合をつけて駆け付けました。
(電車の乗り換えの為、病気になって以来はじめて全速力で走りました…)
会場のAI HALLは演劇ホールで、天井が高く演出しやすい空間。
リハーサルに立ち合えたので、色々なことがわかって幸せ。
演出の瀑一人さんと感性が合うのは、たぶん(埴生さんも同様)
黒テントや前衛舞踏の影響を内在しているから。
舞台の視覚的演出は(ピアノのハレーション以外)申し分なく、
サウンド的な面での若干の工夫があれば、
(…というか、シャンソンコンサートならではのノウハウ)
総合評価としては「素晴らしい!」
パリでそのまま上演しても諸先輩のベテラン歌手より、
はるかに高評価間違いなし!
埴生さんの歌唱法が、日本のガラパゴス・シャンソン唱法と異なり、
偶数小節弱音手法になっているのは、芝居の台詞手法を応用
出来ているからだということが、一人芝居のコーナーで判明。
少年少女合唱団で得た「響きの芸術」の本質、
新劇と異なるアングラ芝居の様式美に加えて、生育歴によって
刻まれたに違いない「求道力」と、彼女を取り巻き支える人たちの
芸術的アンサンブルは、きっと(少なくとも)関西のシャンソンに
変革をもたらすと期待。