5月13日
味わい深い文人スタイルで読む人を楽しませ、
心に残る一節を加えるという、まるで作曲家にも似た音楽評論の
新しいパターンを創出された永田文夫先生がお亡くなりになりました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
来月に行われるシャルル・アズナヴール日本最終公演の
公式パンフレット作成の為、執筆の打診をしたところ快諾を下さった永田文夫先生。
5月12日、気心の知れた方との夕食で、
いつもよりお酒を多く召し上がって帰宅され、
「18日からは三越劇場があるので、前日までには書きます」とのお電話。
その翌朝、急逝されるなどとは誰も予想だにしていなかったはず。
秋に控える岸洋子ベスト盤CDの選曲や、
年明けの訳詞家協会コンサートなど、あれこれ立案企画され、
多忙を極める中、「永田文夫訳詞集」増刷版も出版され、
元気はつらつで卒寿記念コンサートを迎えられるご予定でした。
報道解禁後、時事通信を通じて知られた方々から、
多量のお問い合わせが日仏シャンソン協会へ寄せられました。
最も多いのが、
“ご香典送付先について”でしたが、
「(主催者ではありませんが)いずれ開催されるお別れの会に
お出かけいただくのが最善かと思います」とお答えしました。
三越劇場の卒寿記念コンサートが追悼コンサートの様相を呈するだけでも
大変なことで、まして出演される予定の前田はるみさんの胸中を思うと、
今は、ただステージに集中していただける環境作りが何より大切
と思ってのことでした。
この数年、メディアを中心にシャンソンに関するお問い合わせが
日仏シャンソン協会へ集中する傾向にありますが、
その理由のひとつに、夜中であっても、
ライブハウス「カフェ・コンセール・エルム」営業時間中は
共用電話で連絡が可能だからということが
今回の件でも実証されました。
永田文夫先生は事ある毎に私たちに的確なアドバイスを下さいました。
そのアドバイスに従ったからこそ、
今の私たち日仏シャンソン協会そしてエルムがあるのです。
このブログで、記憶をたどってお伝えしていきたいと思っています。
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恩人・永田文夫先生
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