一時代前には、フランス・シャンソン界の三大ミッシェルと呼ばれたこともあった、
ミッシェル・デルペッシュが新年2日、長い闘病生活の末、舌癌で逝去の知らせ。
彼の遺作「La Fin du Chemin」のYouTubeオフィシャル・クリップは、再生回数急増。
ラスト・シーンの「オーヴォワ!」が今から思えば今回を暗示?
暗示と言えば2012年、名古屋巴里祭で上演したシャンソン・ミニ・ドラマ
「カリスマ・プロデューサー ジャン・マリー=マルス物語」のラスト・シーンは
ミッシェル・デルペッシュが病床で東日本大震災の為に
「哀しみの終わり~さあ!今から~」を災害復興支援シャンソンとして
日本へ送るというもので、
大沢樹生さんが初のシャンソン歌手としての役で登場し、
劇団四季出身の鈴木壮麻さんと共にフィナーレで歌った演出がフランスでも話題となり、
まさに今回を暗示していると今再び話題。
デルペッシュはその後、加藤ハツ館長との心の交流を深め、
「シェ ロレット~懐かしの店~」のオリジナル譜を
ローラン・ヴァンサンを通じてプレゼント。
日仏シャンソン協会としてのみならず、
日本の災害に対し初めて支援の意を示したシャンソン歌手として、
歴史に名を残すことになりました。
「哀しみの終わり~さあ!今から~」の法定訳詞を指定するにあたり、他の日本語詞は、
被災地から丘の上に逃げて行った人が丘から
被災地を見下ろしている訳であることに反発。
鈴木壮麻さんも歌った訳詞がオリジナル同様、被災地にいる人たちが、
丘の向こうに希望を求め歩いて行うという内容であることに感激し、
法定訳詞権を認めたといういきさつ有。
いずれにしても、2014年パリ公演の折、病院へ見舞えなかったことが悔やまれます。
「ワイト・イズ・ワイト」の時代とは全く違った「やさしさ」を携えた歌い手に変身し、
見事なカムバックを果たした彼と語り合う時を夢見ていましたが、かなわぬ願いでした。
でも彼が日本に贈ってくれた災害復興支援シャンソン「哀しみの終わり~さあ!今から~」は、
加藤ハツ館長のナレーション入りCDが今も無料配布され、多くの人に歌われ続けています。
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ミッシェル・デルペッシュを悼む
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