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Channel: 加藤修滋のブログ
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盛り上がり最高の「名古屋巴里祭2015」

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過去44年間の「名古屋巴里祭」の歴史の中で、
今年ほど盛り上がったことは少ないと思われます。


日本人歌手たちのレベル・アップもさることながら、
初来日のヴァレリー・ミシュレーが聴衆を目と耳の両方で魅了し尽くしたことによるもの。

更に、過去7回来日(シャンソン大使として3回、他に4回)で、
日本各地にファンのできたミッシェル・グラスコのアコーディオンも、
Ⅰ部はシャンソン・メドレー、Ⅱ部は美空ひばりメドレーと、
意表を突く超絶技巧で客席を湧かせました。


ミッシェルが弾くと、日本の演歌も実にオシャレでエレガントに大変身するから不思議。

かつてヴァレリーをテレビ番組で見た以外にも、
どこかで会っていたような気がしていましたが、
その理由はフォーリー・ベルジェ―ルでロングラン・ヒットとなった
ミュージカル「レザネ・ツイスト」に出演していたと聞いて判明。

この出し物を私はパリで2回も見ています。


ヴァレリーもミッシェルも、オープニングの「ジュテーム・ア・ラフォリ」と
「哀しみの終わり~さあ!今から~」の視覚的にも楽しめる演出に感心し、
ソロ歌手たちが見事なコーラスをすることに驚いていました。

それ以上に、フィナーレでヴァレリーの歌う「L'enfant maquillé」に
9名の日本人歌手たちが美しいコーラス・アレンジで歌ったことに
「哲学的な左岸派シャンソン・ソテレール」が
映画音楽の様な美しい作品に変身した」とビックリ。



この楽曲は、ベルナール・ディメ
(日本では「愛の国シェラキューズ」の作者として知られる)の詞に、
80年代当時、新しい作風を模索していたシャルル・アズナヴールが曲を付けた異色作。

インターネットでは、アズナヴール自身のイタリア語版も聴けます。

見事に絞り込まれた無駄のない肉体と、
女優としての表現力を研ぎ澄まされた完成が結合される、
今世紀最高の「文学的シャンソンのミューズ」の見応えは想像以上のものでした。


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