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Channel: 加藤修滋のブログ
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歌唱法が変わりつつある(?)日本シャンソン界

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この数年、日本各地のシャンソン・コンクール審査員や、オブサーバーをしたり、
シャンソン大使随行員として各都市のシャンソン歌手との
日仏文化交流ステージの手伝いをしたり、
あわせてシャンソニエを回ったり…見分を広める機会増。

若い人を中心に少しずつシャンソン歌唱法が変わりつつあることを実感し、
理由の仮説を立てました。

CD11枚組の「シャンソン・カラオケ大全集」は、それを購入した人だけでなく、
購入者に聴かせてもらった人たちの歌唱法まで変えた様です。

CSSV(母音消去唱法)、CES(息もれ唱法・官能唱法)は、日本でも市民権を得た感有。

今までも、このシャンソン特有の歌唱法を得意とする
岡山加代子さん、青山桂子さん、浜崎久美子さん、宮入公子さん等の
CDを日仏シャンソン協会通販や月刊「プチるたん」を通じて購入される方は、
随分多かったのですが、
1年で55,000枚売れたことになる「シャンソン・カラオケ大全集」に入っている
参考歌唱で学んだ人は、圧倒的に多い様子。

東京・大阪以外の都市でシャンソン伴奏も(!)しているピアニストにも、
奏法の参考になっているとの声が寄せられています。



もう一つは、近年のシャンソン・コンクールで
仏語歌唱者が増えていることも遠因と考えられます。

ジャズやタンゴ同様、原語で歌わないと出せないリズム感があり、
フランス語歌唱する人たちの中は、それを身に付けて来ている人も有。

ただ、年配の人(合唱や他ジャンルの歌を長く歌って来た人)の発音は、
母音中心(特に「助詞」)に歌う唱法が身についてしまっていて、
若い人(最初からCDやYouTubeでフランス人のシャンソンを聴いて育った人)の様には、
うまく行かないケースも。

そういう人たちでも、日本語で歌うと、
即演歌・歌謡曲風になってしまう人もあって残念。



そんな中でも、最近聴いた千葉愛子さん、樋口亜由美さん、MIKAKOさん等は
今までの日本シャンソン界の王道を行く歌唱法でないだけに、
何らかの変化の兆しの様な気がします。

個人的には、各シャン・コンで総なめ受賞している岸本真知子さんの様な
フランス語歌唱しかしない人が、
日本語でも同様にシャンソン・テイストが出せるかに興味有。

ちなみに、彼女が舞台業界紙の一面で取り上げられたことに
シャン・コン来聴者の中で話題にしている人があって、驚きました。

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