以前、「エルムの歌手は個性がない」と言われていました。
でもジャクリーヌ・ダノ曰く「個性とクセは違う」…。
最近になって、エルムで20年近く歌っている歌手たちが、
各々のカラ―を出すライブが可能になってきました。
いずれもフランス人アーティストが高い評価を与えている人たちで、
歌唱ポリシーは“歌の3大要素は「祈り・願い・叫び」”であることは共通。
加えて、声の美しさ、表現の豊かさでライブを構成する岡山加代子さん、
シャンソンらしい美しいステージングの青山桂子さん、
新しいシャンソンを中心に、
新鮮さとオーソドックスな安定感をミックスさせる浜崎久美子さん、
女性の持つ色々な側面を歌い分け、「官能唱法」の達人と言われる宮入公子さん、
お客様の目線でステージを捕え、楽しい気持ちにさせる真路まなみさん、
華やかで動きも美しく、加えてドラマ性のある歌声も持つ芹沢抄子さん、
若さ溢れる歌声と、大人びた内容のMCを「笑顔」という共通項で色付けし、
客席を幸せな気分にさせる清水美帆さん…。
個性的なステージは、何かを仕掛け作るのでなく、
長い間に自然に構築されるもののようです。
とは言っても、美輪明宏さん、菅原洋一さん、
ジャクリーヌ・ダノ、ジャクリーヌ・ボワイエ等
内外のビッグ・アーティストとの度重なる共演でエルムの歌手たちが
身に付ける事ができたものの大きさは計り知れません。
日本各地の有望な歌手の皆さんにも、そうした機会を作れるように
取りあえず今秋、久しぶりのパリ公演を企画しています。
「トリアノン劇場」コンサートでは、日本代表として歌った全国各地のシャンソン歌手
(浜松の大石直美さん、静岡の佐藤美奈子さん、
神戸の森岡怜子さん、宮崎の甲斐和代さん…)が
その後、大きな成長と共に活躍が目立っているように、
次の世代のシャンソン歌手が育つ場にしたいものです