毎年恒例の日本アマチュア・シャンソン・コンクールが
5月から6月にかけて全国6地区大会を経て、神戸での本選が行われます。
今年は「なにわシャンソン・コンクール」が開催されないという情報もありますが、
その代わりに全国4都市予選を経て東京で本選のあるコンクール
(NPO法人日本シャンソン・カンツォーネ振興協会主催)と、
東京シャンソン・コンクール(東京日仏文化サロン主催)が新しく開かれ、
他にも浜松シャンソン・コンクール、
東京のJ’AIME CHANTER、NPO法人による関西シャンソン・コンクール、
アリアンス・フランセーズのフレンチ・ポップ・コンクール、
広島のシャンソン・コンクール…今やコンクール花盛り。
そのうち3つのコンクールで審査員を務めていますが、
コンクール前になると応募テープの録音や、本選の為のレッスン希望が急増。
悩みの種は、通常のレッスンでは「絶対ダメ」と言っている歌唱法を
「絶対にしなさい!」と前言をひっくり返さなくてはいけないこと。
何しろ、フランス人アーティストが良しとする歌唱法の正反対にある
「大声!オン・マイク!」でないと、得点し辛いという状況があります。
私の友人・故モーリス・ファノンの教え
“シャンソンの3大要素は「祈り・願い・叫び」”とは全く異なる、
日本の音楽教育“音楽の3大要素は「リズム・メロディー・ハーモニー」”が根底にあります。
本当は違うにも関わらず、「コンクールで賞を取る為には、こう歌って」と
言わざるを得ないのが指導者としてはストレス。
歌声を換金するプロ歌手と、シャンソンをライフ・ワークにしたいアマチュアとで
目指す歌唱法に差ができるのと似ています。
日仏シャンソン協会の主任シャンソン講師で、
フランス・シャンソン芸術協会の指導者ディプロムを取得している
岡山加代子さんのように、「声勝負」の歌唱も、
「感動唱法」も共に一流というのが望ましいことはいうまでもありませんが…。