日本の演劇界を変えた人と言えば、タイトルにある3人。
特に唐十郎率いる「状況劇場」に私は心を奪われていました。
新宿歌舞伎町「花園神社」での「紅テント」と言われる移動芝居小屋のラスト・シーンは絶妙。
テントの幕を振り下ろすと、そこには大都会の夜景。
彼の芝居は終わることない日常の人生へと続く。
「特権的肉体論」に心惹かれ、自分たちの活動に活かそうとしましたが、無理でした。
パートナー李礼仙が復帰前の沖縄公演に参加できないと言われ反骨精神で作られた「腰巻お仙」「二部物語」(韓国~日本)を観た記憶は今も鮮烈。彼に薫陶を受けた麿赤児、根津甚八、小林薫、不破万作等は各々活躍を続けている。
新宿中央公園で200人の機動隊に囲まれつつ行った「腰巻お仙・振袖火事の巻」で、ジェラルミンの盾を前に唐の放った一言「見よ!この機動隊」が権力と対峙する彼の真骨頂。
1960年代の絶頂期からの作品が多いが中には「吸血姫」(鬼に掛けた)や後継者の「唐組」による新作まで、今の若者の中にもその志は生きている。
海外公演で最も価値あるのは1974年パレスチナで行ったアラビア語の公演。
混沌とした世界にあって未来を見据えた眼力には脱帽。
更に「中村勘三郎」が唐芝居に影響され客席との距離感を近づける「宙乗り」を計画し、「歌舞伎の原点は紅テントにある」と言って、今日の新作「平成中村座」で屋台崩しを計画。
2000年には隅田川の河川敷で公演を行っている。
私は名古屋での唐十郎の「紅テント」佐藤信の「黒テント」を観ている。
寺山修司の「天井桟敷」はコンサート・ホール公演を観たが、ここでは言及しなかった「早稲田小劇場」のステージ含め、今でも心ときめく芝居ばかり。おそらく私の友人・深沢君の「リーディング・シアター」や「スペイン芝居」も同様にそれらの芝居に影響されているに違いない