日本シャンソン界では恥ずかし気も無く「私の訳詞で歌います」と宣言して(違反しましたと自ら申告するようなもの)歌う輩の何と多い事。
せめて小声でコソッとささやけばまだ可愛いけれど、そう言う歌手に限って大声で雄たけび又は雌たけびを上げる。
ところがムッシュこと矢田部道一さんは、ご自身の作品を訳詞とは言わず、日本人の感性に合った歌いやすく、美しい詩を大量に提供。
私が、その美しさに讃辞を贈ったら「修滋君、僕のイメージ・キャラクターはゴリラだヨ。ワォーッ」と胸を叩いて笑っていました。
色々な意味で人間味・人情味溢れる素晴らしい先輩でした。
ムッシュのお世話にならなかった歌手は一人もいないと思います。
感謝と共に万雷の拍手を!
次いで特筆すべきは古賀力さん。
「銀巴里」の代表的歌手であり、かつ素晴らしい詩人。
「法定訳詞」は、さほど多くありませんが出版社等への了解を得て著書出版。
その多くは原詞に忠実なものですが、中には敢えて自らの体験で独自の詩を書かれたものも。
いずれにしても学ぶべき所の多い、大切な先輩2人は日本シャンソン界の至宝と言うべき存在。
その作品を歌う以上、お二人の「美意識」に心を馳せつつ、リスペクトと共に感謝の「表情」で歌いましょう!