ヘッドフォン・メーカーとして知られるSTAXは、ヨーロッパのオーディオ・マニアの間では人気のスピーカーを製造していた。
車で言えば、シトロエンのハイドロ・サスペンションの様に特殊構造。
スピーカーの前でも後ろでも近くでも遠くでも均一に聴こえると言うスグレモノ。
特に中音域の生楽器は、素晴らしい響きとなる。
バイオリンよりチェロに適し、人間味あふれるサウンド。
通の人が持っているのは高さ1m以上のもの。
ところがエルムにあるのは天井近くまである巨大なもの。
これをエルムに運んだ時、近所の方が「失礼ですがどなたかご逝去?」とのお尋ね。
棺桶と勘違いされたそのSTAXはメーカーから無期限無料でお借りしたもの。
今ではエルムに残っているSTAXだけが現存。
オークションに出したら、どんでもない値が付くとおっしゃる方も。
もち論、誰が何と言おうとエルムと光栄の歴史を共に歩んだ盟友として手放しません。
残るのは感謝の言葉のみ。
アリガトウ、これからもヨロシク!