私達「エルム」の歌手達に「歌の三大要素は、祈り・願い・叫び」(後にジャクリーヌ・ダノが“優しさ”を加えた)と教えてくれたのはモーリス・ファノン。
学校教員出身だけに加藤ハツ館長とは気心を通じ合った。
彼はシャルル・アズナヴールに「シュウジ カトウの詞は素晴らしい」と私に日本語詞を付けるよう推薦してくれた人。
そこで生まれたのが私の2曲目の法定訳詞となった「青春という宝」。
シャルルは「これで私の青春3部作が完成した」と喜んでくれました。
彼のパリにあるライブハウス「ル・コネッターブル」と私達の「カフェ・コンセール・エルム」が姉妹提携を結び、1990年に調印式の為、モーリスは初来日(そしてそれが最後の来日)。
当時、一晩で一升瓶を空にする程の酒豪と思っていましたが、実は末期ガンの痛みを紛らわす為だったのです。
そして帰国した翌年に旅立っていきました。
そのような体調の中、調印式の為無理を押して会いに来てくれた事は忘れません。
奇跡の連鎖をもたらしてくれたモーリスに感謝!