「フランス語が出来ないのに、何故コミュニケーションがとれるの?」
時々たずねられます。
私が憧れのアーティストのお宅へ伺う時は通訳同伴なので
私は一言もしゃべる事をせず、ただニコニコしているだけ。
その典型が、ミッシェル・ジュールダン宅へお邪魔した時。
法定訳詞のお願いで伺っているので
通訳は職務に忠実にきちんと伝えようとして下さる。
当然、私はまじめな顔(少なくともニコニコ顔ではない)
そばで、私は奥様のマリー・ラザロ手作りのジュースを3杯もおかわりして(当然「美味しい!」と言う顔)いるだけ。
返答を渋っている夫君の横で
マリーは私に向かって、しきりにウインク。
要するに「後で私から上手く伝えておくわ」のサイン。
その通りに数日後、法定訳詞の許可。
言うまでもなく言葉はコミュニケーションの為の重要なツール。
でも人は表情によって多くのものを伝える事ができます。
「歌う時に額にシワを寄せ、顔をゆがめて歌う事は考えられない」
と言った人は、こうも言いました。
「祈りを捧げる時、世界中のすべての宗教がひざまずき、あるいはひれ伏す。
その時の表情は誰の目にも美しいもののはず・・・。」と。
思わず、自分の日頃の表情を振り返りました。