美輪明宏さんは、最初に書いて下さった色紙の
言葉「慈悲」そのもののような方で、いつも背後にオーラを感じます。
一度だけ美輪さんがフランス人なのでは?と思う場面に居合わせました。
リハーサル中に、ピアノのセルジュ染井さんに向かって「Non!〇〇〇〇」と言われました。
すぐ日本語で言い直されましたが
フランス人そのものの姿を拝見した心地でした。
普通では経験できないような事をさせていただけた事があります。
いつものようにステージ終わりで客席中央通路を横切り、
下手側扉から外へハケられると屈強なお付きの人の腕の中に
倒れ込むと同時に私が酸素マスクを顔に・・・と言うもの。
フランスと言えば、
美輪さんのフランス公演では新聞のニュースで日本の首相渡仏よりも
美輪さんのコンサート記事の方が大きかったそうです。
フランスでよくある話に、レオ・フェレやジョルジュ・ブラッサンスのように劇場が経営危機に陥るとそこの常連歌手が救済出演すると言う事があります。
「渋谷ジァンジァン」では、美輪さんがそうした出演をなさっておられました。
守るべき文化拠点としての劇場(日本では「小屋」と言う古くからの愛称もある)に対する美輪さんの思い入れは、素晴らしいと言う安易な言葉では表現し得ないものです。