今でこそ押しも押されぬスター歌手のララ・ファビアンですが、
まだそれほどでもなかった頃の心にくい演出は、今でも印象に残っています。
ヒット曲「ジュテーム」のイントロが始まったところ、
感極まり歌い出すことができないララ・ファビアンに対し、バンドは演奏をとめます。
すると客席の一部のファンがアカペラで歌い出し、サビの歌詞を
「Je t’aime」ではなく「On t’aime(私たちはあなたを愛しています)」と歌うと、
他のファンもつられて口をそろえて・・・・・。
感激した彼女の表情を見事に捉えるカメラ。
イヴ・モンタンのワールド・ツアーの頃から
こうした客席に対する演出はありましたが、
さすがフランスという印象。
最盛期の彼女のコンサートで印象的だったのは
「je suis malade」の最後に
バタッと倒れこみ、拍手が鳴り終わる直前まで
起き上がらないというシーンも創り出していました。
ちなみにダリダはスタンド・マイクにとりすがって
しゃがみ込むパフォーマンス。
いずれにしてもハッとするような演出が多いのですが
逆にきわめてオーソドックスなものも混在させる幅の広さにはマイッタ。