フランス・シャンソン芸術協会から、シャンソン指導者ディプロム(免許状)を
授与された日本人は岡山加代子、青山桂子の二人。
音大出身で声楽的裏付けの歌唱法の岡山さんと、
学生時代は新体操やダンスをしていてシャンソンに転向した青山さんは、
デビュー当時両極端の歌い方。
ところが、ジャクリーヌ・ダノや美輪明宏等、国内外のアーティストとの共演を繰り返し、
20回に及ぶパリ公演の中で、二人ともシャンソンのエスプリを習得しました。
シャルル・アズナヴールは岡山さんを気に入って「ジュ ヴォヤージュ」をプレゼント。
フランス・シャンソン芸術協会のカトリーヌ・アトラニ会長は、
青山さんを「日本語で歌うシャンソンのバイブル」と絶賛。
2人は共にフランス国営TV(France2)が「理想のシャンソン空間」と評した
カフェ・コンセール・エルムにレギュラー出演しているので、
後輩の歌手たちがその歌唱法を習得。
いつしか「エルム・メソッド」と呼ばれる独特の
(それこそフランス人アーティストに不可欠な)
歌唱スタイルが出来上がりました。
日本シャンソン協会正会員でもある青山桂子さんは「シャンソン・フォリ-」や
「シャンソンをあなたに」に出演する度に、観客はもちろん、
共演歌手にも「目からウロコ」のインパクト。
エルム・レギュラー出演者の瀬間千恵さんは、
来名の度に「エルムの人達は、本当に素晴らしく育ったわね」と岡山さんはじめ、
エルム・シスターズたちにも、お褒めの言葉。
そのエルム・メソッドで歌う人が増えています。
例えば、C.アズナヴールお得意のCES(息もれ又は官能唱法)、CSSV(母音消去法)…。
日本のシャンソンも少しずつ着実に変化しています