越路吹雪と並び称されながら
自身の歌手活動よりもご主人
(ドラマの松谷と高名だったCBCのプロデューサー)を
選択された平乃たか子さんの訃報に驚いています。
原孝太郎に見出され「ラ・セーヌ」や「白馬車」に出演し、
NHK「花の星座」にも出演されました。
リサイタルは、湯浅康演出、
前田憲男、八木正生、江草啓介のアレンジ&ピアノ、
中牟礼貞則(ギター)、清水万起夫(サックス)
石松元(ドラムス)等の演奏、村田大の振り付けという
豪華なものでした。
何より、アラン・バリエールやジョセフィン・ベーカーとの
共演は、当時大きな話題でした。
その頃、タンゴにのめり込んでいた私に
シャンソンの伴奏をさせてもらった事が
今の私の活動につながっています。
名古屋在住というだけで、
他のシャンソン歌手の方々と比較して
あまりにも正当な評価がなされないままの
ご逝去であったことが残念です。
そしてご主人と2人で計画し
「人生最後のステージ」として
曲目まで決めておられたコンサートが
実現しなかったことも心残りです。
余談ですが、グラシェラ・スサーナがCD収録した
私の作品「ひととき」は、平乃たか子さんの為に作ったものでした。
おタカさんこと平乃たか子さんのLPに
出演家の湯浅康さんが寄せられた言葉が甦ります。
「東京中心のいわば中央集権的な音楽文化状況のなかで、
名古屋を根城にして活動を続けている平乃さん・・・‥
・・・・・いつまでも”歌うこと”を忘れないで
生きていってほしい人である」
この言葉通り、亡くなるその日まで
歌おうとし続けた人生と、
それを支え続けられた淳さんに(お悔み以上に)
心からの感銘をお伝えしたいと思います。
いつの日にか「偲ぶ会」を切望しつつ・・・・・。