エルムで昼公演が急増するにつれ、
歌手の歌唱法が次第に変化している事に気づいた時から
わずか2~3ヵ月で、それが顕著に。
例えば「ゲッティンゲン」のコーダ部分の
“ラ・ラ・ラ…”をいきなり歌の続きとして歌うのではなく
映画のスクリーン・ミュージックが聴こえるのに
耳をそば立て、やがてそれにあわせて歌う
(これはシルヴィー・バルタンがライブで「マリッツァ」を歌う時の手法)
モーリス・ファノンの「ヒロシマ」の
3番は、”激しく歌い始め“皮膚は焼けて肉は溶けて”につなげ、
4番は、やさしく祈る様ように”人は死に、神も死んだ…”へと
つないで行くという歌唱法を研究する人が幾人も出現。
同じくモーリス・ファノンの「スカーフ」では
“息もれ唱法”を巧みに使う
歌手は常に研究を怠らない事を教えたのは
エルムに長年にわたり定期的出演を続けてくれている瀬間千恵。
カトリーヌ・アトラニ女史が、彼女を絶賛。
シャンソン・ディプロムを授与した理由がよく分かります。