日仏シャンソン協会アーティスト会員・日本シャンソン協会正会員の
小倉浩二さんが送って下さったコンサートDVDを観て、
徹底した観客サービス精神を感じました。
山梨在住の方ですが、東京はじめ各地で活躍。
もともと歌唱力のある人ですが、円熟味も増しています。
今回コンサート(2016年10月22日南青山マンダラ)1部は、
~シャンソンで紡ぐ光源氏が愛した女たち~のサブタイトル通り、
趣向を凝らした演出で客席を楽しませ、2部はのまど舎のチンドン屋や
ゲスト・ピアノ等でサウンド的に工夫をし、楽しい雰囲気が伝わって来ました。
個人的にはゲスト・ピアノの中川武氏が醸し出す(我々にとっては)懐かしい
オクターブ奏法の色っぽさが印象的。
鍵盤楽器でそのような音色を奏でる奏者は、今では希少価値…。
シャンソン歌手はとかく自分の世界を創ることに集中して、客席との一体感
を失う人も少なくないのですが、小倉さんはエンターテイナーの要素を
強めていて、注目の存在。
ただ(これは多くの歌手に言えることですが)越路吹雪の内藤法美氏、
過去の多くのシャンソン歌手の永田文夫氏に相当する
サウンドクリエーター(歌の内容の演出家、舞台監督業務をする人)を
持たないことが残念。
素晴らしい役者は、役者本人の力以上に、演出・監督によって潜在的な能力を
引き出され育てられるのに…
日本のシャンソン歌手には、それが乏しいことをずっと気にしています。