今までシャンソンの定番と言えば「愛の讃歌」「バラ色の人生」等、E.ピアフの歌声や
「愛しかない時」のJ.ブレル、「ラ・メール」のシャルル・トレネ、
「枯葉」をはじめとするY.モンタン、「ラ・ボエーム」のアズナヴール、
「そして今は」のG.ベコーに
シャンソン創世期頃のダミア、フレール、モーリス・シュヴァリエ等のものであり、
それは世界各国似た傾向にありました。
日本に於いては、突然異変的に越路吹雪の歌で定番シャンソンに
アダモの「雪が降る」「サントワ・マミー」「ろくでなし」等が加わり、
更にサーカスがM.フューガンの「Mr.サマータイム」をヒットさせ、
俗に言う<シャンソン・ルネッサンス>運動の先駆けとなりました。
この運動では「スカーフ」「病の果てに(灰色の途)」「モネの庭」
「ホテル・ノルマンディー」「悦楽のカフェにて」「パリに恋して」
「ブラボー!ムッシュ・ルモンド」等が紹介され広がって来ましたが、
まだ定番と言えるには至っていません。
今、若者の間でのシャンソン定番曲
(といっても「シャンソン」という単語を知らずに歌う人も多いのですが)は、
「オーシャンゼリゼ」と「マイ・ウェイ」で、前者は学校で習うケースも多い上、
TV、CMに良く使われることによります。
映画「最後のマイ・ウェイ」が日本公開された事で
ポップス歌手等が「これは、もともとシャンソンです。知っていますか?」
と説明して歌うケースが増えました。
今、日本で老いも若きも(小学生や幼稚園児も)共通したシャンソンNo.1は
まぎれもなく「オーシャンゼリゼ」です。
注:原曲がどこのものでも仏語詞がつけられヒットしたものをシャンソンと言うので、
オリジナルがイギリスのこの曲も立派なシャンソンです。
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定番シャンソン、世代交代の兆し
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