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Channel: 加藤修滋のブログ
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ロレット軒

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邦題「ロレット軒」(又は「ロレットの店で」)という曲は、
昔から母も私も好きなシャンソン。

3.11東日本大震災に際して、日本人に勇気を!と願って
「哀しみの終わり~さあ!今から~」をプレゼントしてくれた
ミッシェル・デルペッシュのヒット曲。


最近、自分で歌うことはなかったけれど、
今回来日したシャンソン大使=J.P.メナジェが最初の公演地、
茨木(大阪市)でアコルディナ(ボタン式ピアニカの様な楽器)を使って、
この曲を演奏し大好評。


名古屋では、会場が大きい(1100名)ので、
手拍子のし易い「パリ・ジュテーム」に変更しようか?…と迷っていた彼に、
「若い頃に通った店の女主人への思いを歌った曲なので、この歌をお母さんの為に…」
と言って、ソロ曲に「ロレット軒」を選びました。

そして、東京で彼が「ロレット軒」を演奏している、
まさにその時刻に母は荼毘に付しました。

そのことを知ったJ.P.メナジェは、
その後の日本公演の全ての都市で「お母さんへのレクイエム」と言って、
「ロレット軒」を演奏。

舞台袖で聴いている時、ずっと涙が止まらないままで、
心が折れそうになるのですが、母にとっても私にとっても、
この上なく幸せな事だと思います。


「どれだけ多くの人の心に深く棲むことができるかが人間の価値」だと考えれば、
異国のアーティストの心の中にも棲み続けている母は、
価値ある人生を歩んだに違いありません。


かけがえのない時間を毎日作ってくれている
アコーディオン奏者=J.P.メナジェに感謝。

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