日本でシャンソンが流行した理由のひとつに、
素晴らしい日本語訳詞の存在があります。
堀口大学・西条八十に始まり、なかにし礼、永田文夫といった
素晴らしい仏文学者や詩人が、
心の琴線に触れる日本語の詞を書いてきたことが、
日本独自のシャンソンを誕生させたと言われている。
通常、レコード会社や出版社がフランスの権利者に訳詞許可をとって、
法定訳詞が生まれるのですが、
最近はシャンソン歌手が権利者や原作者に無断で詞を付けることが増えています。
当然、何かあれば権利を有するパブリッシャーや作者から、
CD発売差止めや損害賠償請求も絶対ないとは言えないという指摘も有。
法定訳詞としてJASRACに登録された詞だけが「訳詞」と表記され、
それ以外は「日本語詞」と呼ばれます。
無断で付けた詞でもライブで歌唱する時はアドリブと同じ扱いとなり得ますが、
それを録音したり出版しようとすると問題の起きる危険もある事が
知られていません。
それ以上に問題なのは、法定訳詞は規定の金額をJASRACに支払えば、
誰でもCD化できますが、
そうではない詞は、その詞を(原作者の無断であっても著作物となるので)
書いた人の「言い値」を支払わなければならないという事です。
最近、幾人もの人から、こうした訳詞の事についてお問合せを頂くようになりました。
先日も、岩本ガン子さんと、この件で長電話をしました。
↧
シャンソン訳詞
↧