ジョルジュ・ムスタキは「現代の吟遊詩人」と呼ばれた人。
初めて会ったのは私達の「ル・コネッターブル」での公演をジャクリーヌ・ボワイエと共に聴きに来てくれた時。口髭をたくわえた顔立ちは哲学者のよう。
そのジョルジュが作った「ヒロシマ」はジャズ・ワルツのリズムで少々軽薄。
それに対してもモーリス・ファノンの「ヒロシマ」は世界で唯一「広島・長崎」両都市に言及した作品。
それでも瀬間千恵さんは私の日本語詞を「あくまでも外国からの観点。少し変えさせて」と変更されました。
ジャクリーヌ・ダノが広島の「クラブ青児」で、モーリスの「ヒロシマ」を歌った時の心のこもった名唱は絶品。
余談ながら「東のコルドンブル― vs西のクラブ青児」と言われた名店で、支配人と私はその後もやり取りをしていました。
同じ「ヒロシマ」でもジョルジュとモーリスとの楽曲は明らかな差異がありました。