「名古屋のシャンソン歌手は若い人が多い」
という定説が陥れはじめて来たのは喜ぶべき出来事。
松本幸枝さん、浜崎久美子さんが日本アマチュア・シャンソン・コンクールで
受賞した頃は
「こんな若い娘がレギュラー出演するシャンソニエがあるなんて…」と驚かれたものです。
その後も清水美帆さん、更には平成生まれのシャンソン歌手・西野さくらさん、
そしてついに9歳でシャン・コン地区大会グランプリとなった柴田白梅ちゃん…!
と若手の活躍は続いています。
ところが最近、東京のシャンソニエでも若いシャンソン歌手の活躍が目立つようになり、
シャンソン新時代の到来という予感がします。
前日、その中の一人、樋口亜弓さんが初来名し、エルム出演されました。
銀座の新しいシャンソニエ「天使のコンチェルト」の千葉愛子さんが推薦の有望株。
このところ、ポップスやジャズ等、他ジャンルからシャンソンに転向する歌手の中に、
力のある人が多く見受けられ、新しい傾向と喜んでいます。
…が、シャンソンの本質や真髄を教える指導者についていないと、
違った方向へ行ってしまうこともありはしないかと心配。
樋口さんも、歌、MC、衣装等トータルで素晴らしいものを持っていると、
エルムのお客様方に大好評でしたが、
一人の常連が「マイクの持ち方がダメ」とアドバイス。
腕を上げマイクと口と水平に持って(唇を隠して)
大音量のポップノイズ(マイクを「タ行、パ行」でポンポンと吹く)連発が
気になった様子。
レコーディングを何度もした歌手たちとは違って当然ですが、
アズナヴールのように口と直角に立ててマイクを持つ人はフランスでも減少。
ロックやジャズ等大きな音の音楽の影響から来る時代の流れかも…。
でも、無駄な言葉のない曲間のおしゃべりとスマートなステージ運びは、
なかなかのものでした。
再演を求める声も多かったとのことです。