日本の伝統文化には家元制度がありフランスで言う所の「DIPLOME」に相当する免許があります。
でも日本シャンソン界にはそうしたものはなく一人一人の歌手が家元であるかのごとく、文化教室も含め生徒を多数擁して我が物顔。
戦国時代で言えば群雄割拠状態。
ジャズで言えばバークレー校、タンゴでは、国立タンゴ学院のようなものが存在し、各々がステイタス。
他ジャンルにはそれに相当するものがなくても、現地に住み込みで習得し、時には帰国後そこで得る事になった恩人を自分のステージにゲストとして招くと言う人たちがいます。
フラメンコでもハワイアンでも・・・。
中には各々の国で名の知れた存在になった人も。
エルム出演者の中ではファドの月田秀子さんが代表格。
ポルトガルで聴いた、いわゆる観光客相手の庶民的なものでなくアカデミックな香りのする「ファドの歌い手」として、フランス人のファド歌手の間でも知られた存在。
日本人として誇らしい存在でした。
そうした中にあってフランス・シャンソン芸術協会発行のDIPLOMEは貴重な存在。
一番下のClasse d’Argentは言わば「研修終了証」で誰でも入手可能ですが上級クラスのd’Orはそうはいきません。
日本シャンソン界の中には「フランスへ行ったことはありませんが」と恥かし気もなくステージ上で口にする人もいますが、
「何を言わんや」
もう少し謙虚に学ぶ姿勢の人が増えることを祈るばかりです。