おそらく私たちが無声映画を知る最後の世代。
チャップリン作品は、結末は悲劇か喜劇か観る人によって意見の分かれる所。
代表作「モダン・タイムズ」は、
今の時代のエンタメとは全く違ったいわば哲学書の世界。
機械に押しつぶされそうになる人間の姿。
便利になる一方の生活は便利なようでいて
そこに潜む危うさに気づかなければならないと言う警告のような物を感じます。
今では上映される事もありませんが、文化財として現代に世知辛く生きている人々の為に上映を・・・と願います。
産業革命の時代から今のコンピューターの時代へと変遷しても
人間らしく生きるための命題がそこにあると思うのです。
余談ですが、
フランスでエッフェル塔をのぞむシャイヨー宮一帯で行われたフェスティバルで
ヒップホップの「J5」がテーマに使ったチャップリンの作品は、タキシードに蝶ネクタイのシックなもので「さすが、フランス!」と思ったものでした。