1990年12月29日、日本のシャンソン拠点と言われた銀座の「銀巴里」閉店以来、 「ベル・エポック」「ブン」「鳩ぽっぽ」、札幌の「銀巴里」 そして昨年、大阪の「モン・パリ」とシャンソン老舗の閉店連鎖が続く。 既に石井好子さん、深緑夏代さん、芦野宏さん…巨星は逝り、各地方都市に群雄割拠。 とはいうものの、そうした実力歌手も高齢化し、 その地域での圧倒的な観客動員力には陰りが見える。 代わって、かつては大阪のシャンソン協会、東京の日本シャンソン協会、 名古屋の日仏シャンソン協会の3つしかなかった組織に加えて、 神戸のKAKEHASHI、東京の日本シャンソン・カンツォーネ振興協会と 2つの団体が活発な活動展開。 シャンソン・コンクールに至っては、雨後のタケノコの如く、 幾つも開催されるようになって、 日本のシャンソンは真っ盛り…と言いたいところ(?) でも、実状はシャンソンのお店の来店者は減り、 メジャーのシャンソン歌手で、お客を入れれる人は美輪明宏さん唯一人。 その一方で、シャンソン教室は全国に次々と新しく開かれ、 老人ホーム慰問を主たる歌唱場所とするアマチュアやセミ・プロの シャンソン歌手が続々登場。 新年と浮かれている間に早や12分の1が過ぎ、 今年残された11ヶ月、日本のシャンソン界はどんな話題を創出できるのか、少々不安。
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シャンソンよ、何処へ
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