フランス・シャンソン芸術協会発行のディプロム(免許状)
取得希望者のレッスンをしていて気になる事有。
何より、リズムを守り、生かした歌唱が出来ない人が多い!
特に4分休符と8分休符の区別がハッキリしない。
音節の母音数と音符の数を一致させる歌唱法ができていない。
声を出すことに必死になって、息の吸い方を練習していない。
曲の内容によって明るい発声、暗い発声の使い分けをせず、
自分の声の中で一番響きの良い声しか使わない=ということは、
どの曲も同じに聴こえてしまう。
正しいシャンソン歌唱法は、
やはりフランスでオリジナルを歌っている歌手の歌に学ぶべきことは言うまでもないはず。
ここでポイントは、「オリジナル」という事で、
例えば最近「病の果てに」の原詞<Je suis malade>をフランス語で歌う時、
ララ・ファビアンを真似る人が居て、問題有。
「Je suis mala」で切って、大きくブレスをし「de~」と伸ばすのは、
その後バタッと倒れ込むためのもので、
正しいフランス語なら「malade」と切らずに歌うべき。
作者のセルジュ・ラマも、この曲をヒットさせたダリダも切らずに歌っていることから、
岸本真知子さん(なにわシャンソン・コンクール・グランプリ)に、
切らない方が良いと指導したスプリーム先生は正しい。
「群衆」で美輪明宏さんが「私は、憎む」で切って「の~!」と
歌う時の「の」は日本語でなく、
うめき声又は呪文と同じで、言語の意味を超越した表現。
何より歌の三大要素が「祈り、願い、叫び」であることを
肝に銘じるべきであることは言うまでもない。